昨年、チーズ工房カプレットが作る「ネロカプラ」は、ジャパンチーズアワードで金賞を受賞しました。
この度、そのネロカプラをアメリカで開催される世界チャンピオンシップチーズコンテスト(WCCC)へ出品いたしました。
ネロカプラは、工房を開設してから最初に作り上げたチーズであり、私にとっても特別な想いが込められています。
オーソドックスな酸凝固のシェーブルチーズでありながら、その開発過程は挑戦の連続でした。
水分値の適正値を見つけるため、加湿や過乾燥、適切な炭の量の調整など、数え切れないほどの試行錯誤を重ねました。
青カビが生えたり、熟成庫の湿度や温度調整に苦労したりすることもありましたが、これらの経験を経て、ついには「これだ!」というチーズを完成させることができました。
ジャパンチーズアワードでの金賞受賞は、熟成期間へのこだわり、周りの皮のほどよいとろけ具合、そしてシェーブル独特の匂いを抑えつつ、理想的な形状を保つことが認められた結果でした。
その喜びは筆舌に尽くしがたいものがあります。
しかし、WCCC出品にあたり、コンテストの時期が山羊乳のない3月初旬であるため、一時は出品を諦めかけました。
そんな時、チーズ作りの師であるボスケソの是本さんから山羊乳を冷凍することを進められ、冷凍した山羊乳を使い無事にチーズを完成させ出品することができました。
冷凍によりシェーブルの風味がやや損なわれたものの、海外でのコンテストに合わせて水分値を調整し、形が崩れないよう配慮しました。
日本のコンテストに出したものより結構固く仕上げました。また、包装についても北海道の共同学舎さんの協力を得て、最適な方法を選びました。
悔やまれるのは冷凍で風味が薄くなったこと、、、
この出品が可能となったのは、様々な方の支援とアドバイスがあったからこそです。心から感謝しています。
WCCCは3月5日から3日間にわたり開催されます。結果については、改めてご報告させていただきます。